「問題はね。なぜ古代進的な少年は抹消されたのかだよ」
「ギャラクティカ、スターウォーズ的な世界観に戦おうとすれば、ああいう少年は作品から取り除かれて当然ということだね」
「ここから改めて異論を試みてみよう」
「異論とは?」
「熱血少年古代君と、ギャラクティカのリイマジニング的世界観、あるいはスターウォーズ2/3的世界観とは本当に相容れないのだろうか」
「ってことは、何か考えることはあるのかい?」
「自分の信じる正義を貫くあまり政治家になっていくリー・アダマとか、優秀だがムラのある精神で若すぎるアナキンのようなポジションに、古代君も落とし込めるのではないだろうか」
「宇宙戦艦ヤマトの世界観で、乗組員が政治家をやるのは無理があるよ」
「そうだな」
「それに、アナキンになぞらえてしまったら、古代君はダースベイダーになってしまうよ」
「では、ダースベイダーになってしまうとすれば、切っ掛けは何だろう」
「肉親の死」
「ならば話は簡単だ。兄は死んだ」
「でもさ。敵に殺されたのなら、敵の大将になる理由が無いよ」
「敵に殺されたのならね」
「は?」
「陽動を知らされずに捨て駒にされた、つまり死ななくても良いのに死ぬように強要されたと思うのなら、十分に地球防衛軍を憎む理由になる」
「ひ~」
「相棒は、若い先輩が必要だ、ヤング沖田だな」
「ヤング沖田?」
「30歳ぐらいの若々しい沖田。上手く古代を導けなかった」
「なんということだ」
「そうすると、意外にヤマト2199の必然が導き出される。ヤマト2199は、なぜか冥王星海戦が陽動になっているし、古代進の存在感が減った分だけ沖田の存在感が増えているが、あまり老人らしい重々しさが無い」
「そうか。古代がデスラーの部下になって、デウスーラからヤマトに乗り込んで戦ってこそ、設定がしっくり噛み合のか」
「だが結局そこまでは踏み切れなかったのだろう」
「なんで?」
「デスラーの手下になってヤマトを襲う古代など、ファンが容認できるはずもない。そもそも、スタッフが容認できるかも怪しい」
「それだけ?」
「いいや。そもそもそんなあからさまなスターウォーズ展開は【真似した】と揶揄されるだけなので、もっとマシなアイデアを考えるだろう」
「でも、実際にヤマト2199に【マシなアイデア】なんて見当たらないぞ」
「そりゃそうだ。ファン層が待っていたのは、新しいヤマト像じゃなくて、【思い出】なんだ」
オマケ §
「ここから派生したヒーロー論はまた今度な」
「まだあるんかい」